フリーランス美容師とはどんな働き方?
フリーランスとは特定の組織に所属せず、個人事業主として活動する働き方です。フリーランス美容師とは、サロンと雇用契約を結ばずに独立して美容師として活動する人たちのことを指します。
フリーランス美容師は3つのタイプに分けられます。
- 面貸しで活動する
- 業務委託で活動する
- シェアサロンで活動する
それぞれの働き方について詳しく説明していきましょう。
面貸しで活動する美容師
面貸しとは、お客様のいない時間や余っている席をサロンから借りて施術する方法です。オーナーと美容師との間に雇用関係はなく、サロンの経営者とその利用者という関係になります。
仕事をすれば、その売上がそのままフリーランス美容師の収入になる仕組みです。
もちろん、場所を借りているため、サロンへの支払いがあります。時間分の利用料や売上に対する歩合などで取り決められていることが多いです。
面貸しでは、施術に関わる全てを自分で行います。技術や集客に自信のある人やこだわりの強い人に向いています。
業務委託で活動する美容師
業務委託で働く美容師は、サロンと業務委託契約を結んで、雇用関係のない対等な立場で働いています。
一般的な契約内容は、お互いで取り決めた施術や物販などの業務を遂行することです。
業務委託には労働法が適用されません。そのため、契約外の残業や業務をする必要がないというメリットがあります。
集客や、道具の管理、店舗のメンテナンス等は契約したサロンが行います。
一人で行う必要がないため、フリーランスとして働き始めたい方には最もスムーズな働き方といえます。
▼業務委託での働き方はこちらの記事でも紹介しています
シェアサロンで活動する美容師
シェアサロンとは、スペースや個室を何人かのフリーランス美容師がレンタルしている美容室です。施術を行えるように設備や備品も用意されており、利用料を支払えばそれらを自由に使えます。
レンタル料金はサロンによって異なります。時間制や月額制、歩合など、さまざまなので、サロンごとのHPを確認したり、問い合わせたりするとよいでしょう。
シェアサロンも面貸し同様、すべてを自分で行わなくてはいけないため、責任が伴う分やりがいも大きいです。
開業とフリーランスの違いは店舗を持つかどうか
それでは、フリーランス美容師と開業する美容師の違いはどこにあるのでしょうか。
どちらも個人事業主ですし、時間を選べる働き方です。しかし、自分で店舗持つかどうかという違いがあります。
開業する場合、自分が主体でサロンを開きますが、フリーランス美容師は他人が所有するサロンやスペースなどを借りて施術をします。
店舗を持つことで、家賃や光熱費、設備投資などの費用がかかります。リスクを最小限に抑えつつ、より身軽に働きたいという考えの方は、フリーランス美容師が向いていると考えられます。
美容師の離職率は高い
厚生労働省が発表した美容師の離職率に関する統計資料によると、1年以内の離職が約50%、3年以内の離職が80%、10年以内の離職が約90%というデータがあります。
10人美容師として就職しても、そのうちの5人は1年以内に離職しているということになります。このように、美容師は他の職業よりも離職率が高い傾向にあります。
美容師の離職理由としては、労働時間の長さや低賃金などが代表的だと言われています。
▼美容師の離職理由については以下の記事で詳しく紹介しています
働きやすさを求めて独立するフリーランス美容師
フリーランス美容師として独立した人の中には、収入がアップしたという人も少なくありません。収入が下がった人の場合でも、労働時間が減ったことでストレスも軽減されたという声もあります。
また、面貸しをするサロンや業務委託の形態を取る会社も増加しており、フリーランス美容師が活躍できる場所も徐々に増えています。
フリーランス美容師に向いているタイプ
自由な働き方のイメージが強いフリーランス美容師ですが、どのような人が向いているのでしょうか?
固定客が一定数いる美容師
美容師として、すでにある程度の知名度があり、指名をもらうことのできる固定客が多い人は、フリーランス美容師に向いています。
固定客が多ければ多いほど、フリーランスとして独立した際に、収入アップを期待できます。
積極的に集客活動ができる人
固定の店舗を持って営業していないフリーランス美容師には、飛び込み客などがいません。自分から積極的に新規顧客の開拓をする必要があります。
SNSなどを活用した情報発信は、コストを抑えて自分でできることですが、向き不向きがあります。
すぐに結果に結びつかない集客活動は、なかなか苦しい作業ですが、これをストレスと思わず行える人はフリーランス美容師に向いているでしょう。
金銭やスケジュールの管理に自信がある人
フリーランス美容師は、通常の業務以外もすべて自分で行うため、会社勤めの場合は専門部署が担うようなお金やスケジュールの管理もしっかりとカバーする必要があります。
自分自身の技術が高くとも、予約をダブルブッキングしてしまったり、業者への支払いが滞ったりすると、信頼を獲得することは難しくなります。
収入や支払いの管理、スケジュールの確認など細かいことにも気を遣いながら、美容師業をこなせる人が向いています。
積極的な姿勢で試行錯誤を重ねられる人
フリーランス美容師になっても、新しい技術やトレンドを学び続けなくてはいけません。職場での講習会やセミナーがない分、自ら進んで新しい知識や技術を更新していく努力が必要です。
積極的に学ぶ姿勢を大切にして試行錯誤をしながら進んでいける人は、フリーランス美容師として活躍できるでしょう。
空いている時間に働きたい人
「家事や育児、介護などを理由にフルタイムで働けない」「空き時間を使って副業をしたい」など空いている時間を活用して収入を得たい人にもフリーランス美容師の道はおすすめです。
ただし副業の場合は、職場に副業禁止の規則がないかの確認が必要です。勤務先の店舗で獲得した顧客を、フリーランスとして自分の顧客にするなどのモラルに欠ける行為は絶対にやめましょう。
フリーランス美容師のメリット・デメリット
フリーランスの美容師は、雇用主がおらず正社員ではないため、メリットもあればデメリットもあります。
フリーランス美容師のメリット
まず、フリーランス美容師なら収入アップを叶えられます。
正社員として働く場合、給与は固定給+歩合給(売り上げの20~50%)が一般的です。
しかし、フリーランスであれば売上のほとんどが給与になるため、働いた分が収入になります。頑張った分だけ収入も増えるためモチベーションにもつながりますね。
次に、自分がやりたいように働けるメリットがあります。特にフリーランス美容師は時間的な面でゆとりがあるのでマイペースに働けます。
会社に拘束される時間はなく、お客様を施術する時間が勤務時間となります。忙しさによっては仕事量を調整することもできるため、ストレスを軽減した働き方ができるでしょう。
また、1人のお客様と深く関わるというのもメリットのひとつです。フリーランス美容師を利用するお客様は、サロンの立地ではなく、その美容師の腕や人柄を選んでいらっしゃることが多いです。
固定のお客様ができて長く付き合っていくことで信頼も深まり、より仕事に真摯に向き合えるようになります。
フリーランス美容師のデメリット
頑張った分だけ収入が増えるということは、逆に言うと頑張らないと収入が増えません。
固定のお客様が一定数いて安定した収入が見込めるフリーランス美容師もいますが、全員がそうなれるとは限りません。
そして、病気やケガの場合などは収入がなくなるリスクもあります。万が一に備えて保険に加入しておくなどリスク対策も必要です。
また、フリーランス美容師は施術や接客以外も自分でやらなくてはならない仕事が発生します。
人を雇わない限りは全て自分で雑務などを行わなくてはなりません。例えば、集客からお客様の情報管理、道具の管理、会計などさまざまです。
年度末には確定申告も自分で行います。(収入が多い人は税理士に依頼するという手段もあります)
加えて、フリーランス美容師は社会的信用が下がる傾向にあります。ローンやクレジットの審査に通りにくくなることが想定されます。
確定申告までに十分に利益を出して、収入が安定していることを証明しなければなりません。家庭がある方は特に、慎重に判断することが求められます。
フリーランス美容師の将来性とは
フリーランスの美容師数は毎年増加傾向にあります。その背景として、フリーランス向けの制度や場所の整備が進んできていること、インターネットやSNSを活用した集客方法が定着していることなどが挙げられます。
フリーランス美容師が技術や作品を公開できるSNSなどが増えていることもあり、ネットの影響力が強まっている時代だからこそ集客しやすい環境ができています。
今の時代、フリーランスの美容師として活躍するためには、スキルと知名度の両方を並行してアップさせていく必要があります。
作品を載せられるサイトや、InstagramなどのSNS、YouTubeやTikTokといった動画配信プラットフォームを利用して、多くのお客様に自分のことを知ってもらうことが重要です。
同時に、集客したお客様に対してスピーディーかつハイクオリティな施術を行う必要もあるため、情報を発信しながら技術力を磨かなくてはなりません。
より多くのお客様を担当できるようになれば売上アップにつながります。お客様の満足度も上がればリピーターを増やすこともできるため、フリーランス美容師として長く生き残っていくことができるでしょう。
保険や確定申告…フリーランスの美容師の注意点
フリーランス美容師に転身すると、保険や収入に関する変更が発生します。それぞれの手続きについて、しっかり確認しておきましょう。
個人事業主であるフリーランス美容師は保険手続きや確定申告を自分で行わなくてはなりません。
今の美容室を退職する際は企業の社会保険から外れるため、国民健康保険などの健康保険に加入するなどの手続きが必要になります。
また、会計ソフトなどを使って自分で1年間のお金の動きをまとめていき、確定申告を行います。経費や収入、税の計算などを正確に入力することになります。
分からないことがあれば、税務署や役所の相談窓口、あるいは税理士の無料相談などを活用する方法もあります。
収入についても、面貸しや業務委託、シェアサロンなど働き方によって報酬の割合が異なることにも注意をしましょう。いずれの働き方も施術で得た料金が100%支払われるわけではありません。
フリーランス美容師になった場合、どれくらいの収入が見込めるかを試算して検討しましょう。
美容師資格を活かした働き方はフリーランス以外にもある
ここまででフリーランス美容師としての働き方に魅力を感じた人もいれば、「自分にやっていけるのだろうか」と不安を感じた人もいるでしょう。
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まとめ
今回は、フリーランス美容師の働き方についてご紹介しました。
やりがいがある一方で、すべて自分で行わなくてはならない働き方は自由度が高いとも言えますが、同時に多くの責任も発生します。
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