美容専門学校を卒業したら、まずは美容師アシスタントとして働くことになります。美容室の業務がスムーズに進むよう、さまざまな業務にあたります。その業務の合間に自分の技術を磨き、高めてスタイリストを目指すのです。
本記事では美容師アシスタントの仕事内容や、どうやったらスタイリストになれるのかについて紹介していきます。現在、美容師アシスタントに就いている方や、美容師アシスタントを目指している方の参考になれば幸いです。
美容師アシスタントとは?
美容師アシスタントとは、”美容師の見習い”のこと。まず美容室に就職することができたら、先輩スタイリストの元でアシスタントをしながら学んでいくことになります。
仕事内容としては、接客対応をはじめ、美容室内の掃除や施術に必要な道具の準備・洗浄・清掃、消耗品の買い出しなどの「美容室運営のサポート」と、シャンプーやマッサージ、カラー・パーマの補助、練習などの施術に関係する「技術面の仕事」の2つが主な仕事となります。美容師アシスタントの業務は多岐にわたることが分かりますね。
美容師アシスタントの仕事の内容
美容師アシスタントの仕事内容は簡単に言ってしまうと「美容室内のすべての雑務」です。美容専門学校を卒業しても、まずは接客対応や事務作業、会計対応などから業務がスタートするのです。慣れてきたら、次は道具の準備、洗浄や清掃に進みます。
お客さまを待たせることのないように準備をすすめ、先輩スタイリストの使用する道具をタイミングよく間違いのないように用意し、サポートに徹します。
念願の美容師になれたのに、技術的なことを一切任せてもらえないなんて、と思ってしまうかもしれません。
しかしながら、美容師アシスタントをしながら先輩の技術を学び、日々練習していければ、シャンプーを任せてもらえたり、カラーリングの用意を任せてもらえたり、すこしずつではありますがお客さまに接する仕事も増えていきます。
美容師アシスタントの業務も、美容室を運営する上で大切な仕事です。無意味に感じるような雑務でも、自分の美容師としての成長に必ず繋がるはずです。ひとつひとつ丁寧にこなしていくことが重要なのです。
美容師アシスタントの仕事が大変と言われる理由って?
美容師アシスタントは「大変な仕事」のイメージを持たれていることが多くありますが、現場での認識はどうなのでしょうか?
実は、美容師アシスタントの離職率については調査がされており、10人が美容師に就職してもそのうちの5人はなんと、1年以内に離職してしまうんです。これは他の職業よりもずっと高い離職率です。
どうしてこんなにも離職率が高いのでしょうか?
離職理由の中でも多い、5つを紹介していきます。
1:労働時間が長い
美容師アシスタントは先に紹介した通り仕事内容が多く、それに応じて勤務時間は長くなってしまいます。
加えて、営業時間外には先輩スタイリストからカットなどの技術指導や、自主練習を行います。そのため、ほとんど毎日が残業という状態で、帰宅が夜遅くなることもしばしばあるようです。
2:休日が周りと合わない
サービス業には多いことですが、土日祝休業の美容室はほとんどみかけませんよね。むしろ、土日は書き入れどきにあたり、忙しくしていることが多いと思います。
そこでよく聞くのが、「周りの友だちと遊べない」や、「恋人との休みが合わない」などの悩み。プライベートも充実してこそ、仕事も頑張れる。ワ―クライフバランスが実現できないことが、離職を考えるきっかけに繋がるようです。
一方で、平日の方が人が少なく、出かけやすいというメリットもあります。自分自身でどのように捉えるかでメリットなのかデメリットなのかは変わってくると言えそうですね。
3:お客さまと触れあう時間が少ない
美容師アシスタントの間は、お客さまを施術できる機会も少なくなります。施術のメインは先輩スタイリストが行うので、シャンプーだけ担当するなど、お客さまと触れあう時間や機会が限られてしまいます。
短い時間のなかでは、お客さまから信頼してもらうことも簡単ではなく、話に花が咲くこともあまりありません。そのため、「お客さまに満足してもらう喜び」を感じることが難しく、モチベーションの低下を招いてしまうきっかけになるのです。
しかしながら、技術を学び美容室での試験に合格していけば、任せてもらえる仕事が増えていき、自ずとお客さまと触れあう時間も増えていきます。目標をきちんと定め見失わないようにし、モチベーションをコントロールすることが大切ですね。
4:勉強会などの休日出勤
実は美容室の休業日がどこも似たり寄ったりである理由は、その曜日に講習会や勉強会が入ることが多いからなのです。もちろん美容師アシスタントも出席します。
また、美容師は職業柄、見た目にも気を遣わなければいけない仕事です。私服での勤務になるため、休日には新しい洋服を購入するために出かけることも多くなります。
そのため休日にすることと言えば、カットやカラーの勉強をするか、洋服や化粧品を購入するかのどちらか。自由に使える時間が少ないのが現状です。
休みの日でも仕事をしているような状況では疲れがとれず、離職を考える原因になってしまうのかもしれませんね。
5:身体的なストレス
美容師は立ち仕事です。最近では、椅子に座ってカットをしている姿も見かけますが、基本的ははずっと1日中立ちっぱなしですよね。そのうえ、シャンプーやカットなどかがんだり中腰になったりする作業も多く、慢性的な腰痛を抱えてしまう方も少なくないそう。
また、美容師は手荒れしやすい職業第1位と言われており、肌が弱い方はシャンプーやカラー剤によって手荒れを起こしてしまったり、長時間ハサミを動かし続けるため腱鞘炎になってしまうこともあります。
どれも、最悪ドクターストップがかかってしまい美容師を退職してしまうケースも少なくないそうです。もし身体に異変を感じたら、早めに相談をし、必要であれば病院を受診するようにしましょう。
美容師アシスタントからスタイリストになるためには
美容師アシスタントからスタイリストになるためには、美容室が定めている内部試験に合格する必要があります。試験内容は美容室によってさまざまありますが、一般的には「シャンプー」「カラー」「ブロー」「カット」の4つの試験です。
すべての試験に合格できれば、スタイリストとしてデビューできるのです。
美容師アシスタントとスタイリストの違い
美容師アシスタントと違い、スタイリストは「お客さまを最初から最後まで担当する」ことができます。それには、カットやカラー、パーマの技術だけではなく、ブローやヘアセットなどすべてにおいて、お客さまの要望に応えられる技術と知識が必要です。
また、美容室によっては上記の技術に加え、メイクやまつげエクステンション、着物の着付けの技術が必要になる場合もあります。
それらすべての技術を持っていて、対応が可能な人のみがスタイリストの肩書を得られるのです。
美容師アシスタント期間も長くなってきた…今後のキャリアの悩み
美容師アシスタントの期間は、2~5年程度と言われています。
長期間にわたり努力をし続ける必要があるうえ、肉体労働の側面も強く帰宅も遅くなることが多いのです。そのことから睡眠時間もしっかり確保することが難しいため、体調管理にも注意が必要です。
長く続くアシスタント期間、なかなか見えてこないスタイリストデビューのタイミング…
もし、そんな風に今後のキャリアについてお悩みの方は一度、美容室以外で働くことを検討してはいかがでしょうか?実は美容師免許を持っていれば、美容室以外にもさまざまな場所で活躍することが可能なのです。
オススメの職業のひとつは、「アイブロウスタイリスト」。眉のデザイン・メイクのプロフェッショナルへの転身です。例えば、ピアスグループでは、アイブロウスタイリストをはじめとしたパーツ美容専門のブランドを多数展開しており、どのブランドでもキャリアパス制度が導入されています。そのため社内でのキャリアアップが明確化されています。さらにアイブロウの知識がない、未経験の方でも安心の「充実した研修制度」もあります。
スタイリストを目指すなら誰でも必ず通る道
今回は、美容師アシスタントの仕事内容について紹介しました。
業務内容は多岐にわたりますが、そのおかげで美容室がスムーズに運営できていることも分かりましたね。
作業も多く、覚える内容も非常に多い美容師アシスタントですが、先輩スタイリストの元で学べるということは、美容専門学校や教科書で学んでいたことよりもずっと高い技術を間近で見られるチャンスです。
すぐには同じような技術は習得できないかもしれません。辞めてしまおうか、と思ってしまうときもあるかもしれません。ですが、先輩スタイリストたちも同じように美容師アシスタントの時代があったはずです。コツコツがんばって、思うとおりの技術が再現できたときの喜びはひとしおでしょう。
自分に合った、美容師としてのキャリアプランを見つけてみてくださいね。